胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎など、消化器の炎症の治療にも討ち入られているネキシウムという薬があります。普段から健康な人には聞き慣れない薬の名前ですが、消化器系の炎症の症状に悩まされている人にとってはネキシウムとはどんな治療薬で、どういった効果があり、副作用はどうようなものが考えられるのかという点は大変興味のある部分です。

ネキシウムの服用で骨粗鬆症になる可能性がある

ネキシウムの服用で骨粗鬆症になる可能性がある

酷い胸やけや、胃酸が逆流して口の中に不快感が広がったりといった症状に悩まされる人が増えています。
食生活が欧米化したことや日々のストレスによっても症状が出ると言われ、年々患者が増加しているのです。
アルコールの過剰摂取や消化のいい食生活といったことに気をつけることが大切ですが、慢性化してしまうと食道がんなどのリスクが高まるために早めに治療するようにします。

治療にはネキシウムといったプロトンポンプ阻害剤を使用します。
胃の細胞壁には通称プロトンポンプと呼ばれる酵素がありますが、この酵素の働きで胃壁から胃酸の元ともなる水素イオンが大量に放出されることとなります。
ネキシウムはプロトンポンプの働きを阻害する効果があり、それによって胃酸分泌を抑制することが出来るのです。
同じように胃酸が原因で引き起こされる十二指腸潰瘍や吻合部潰瘍の治療にもネキシウムは使用されています。

このネキシウムを使用した治療は長期にわたって服用することが必要ですが、プロトンポンプ阻害薬というのは胃酸の分泌を抑える以外に、カルシウムの吸収を阻害してしまう性質があります。
これにより1年といった長期にわたる服用をした場合、骨折といったリスクが上昇すると言われています。
高齢者の場合は、短期的な服用であっても骨粗鬆症には気をつけなくてはなりません。

もともとネキシウムといったプロトンポンプ阻害薬は、薬の作用持続が24時間しかありません。
薬を服用することで胃酸が抑えられて症状が軽くなる一方で、毎日飲み続けなければすぐに症状が戻ってしまうのです。
長期的に飲み続ける人が多いために骨粗鬆症のリスクが高いと言われているのです。

比較的若い世代では胃酸過多が続いた場合に起こる食道がんへのリスク、高齢者においてはカルシウム吸収が阻害されることによる骨粗鬆症による骨折リスク、こういった将来起こり得るリスクを視野に入れたうえで服用を続けるかどうかを決めることが大変重要なのです。

海外で行なった追跡実験の研究結果について

ネキシウムは消化系潰瘍の治療に広く使用されています。
またピロリ菌除去の補助として利用されることもあり、その用法に応じて適切な用量が定められています。
ネキシウムの使用には注意すべき点があり、医薬品に関する添付文書にその旨が記載されています。

そのなかに海外における複数の観察研究で、高用量及び長期間(1年以上)といった治療により骨折のリスクが増加したという報告がされています。

骨折の原因は骨粗鬆症によるもので、股関節骨折や手関節骨折・脊椎骨折のリスクが増加しているとあります。

ただしこの海外による研究はネキシウムに限った薬剤ではありません。
プロトンポンプ阻害薬全般に対して言えることであり、カナダの大規模研究では、50歳以上で骨折経験のある患者1万5千人分のデータを比較検証し医師会誌にも掲載されています。
その結果5年以上プロトンポンプ阻害薬を使用した場合、股関節部骨折リスクは62%増大し、7年を超えると通常の骨折リスクより4倍も高まるとされているのです。
総合的な骨折リスクでも7年を超えて使用すると2倍になると言われており、長期使用には十分な配慮がされることが必要なのです。

こういった海外での大規模な追跡実験はいくつかの国で行われており、同様に骨粗鬆症リスクへの懸念が報告されています。
ネキシウムをはじめとしたプロトンポンプ阻害薬は、消化系潰瘍の改善に効果が高いために長期にわたって処方されることが多い薬剤です。
しかし有効な薬であるがゆえに、プロトンポンプ阻害薬を服用していれば食生活は何を食べても安心と思ってしまう患者も多く、薬の服用と並行して食生活の改善による治療も行うことが重要だと報告されているのです。